あの背脂チャッチャ系ラーメンが福岡に!「こってりらーめん なりたけ」は麺も心もワシ掴み!

「なりたけ」の淡雪のような優しい背脂とキレ抜群のスープ、ワシっとした中太麺は、ワンタッチでサブスク契約したい程だった…。
というわけで、「こってりらーめん なりたけ」を福岡のとんこつボーイとバリカタガールに向けてご報告!
この記事を書いたサラダボウラー

〈目次〉
【朗報】背脂チャッチャ系ラーメンの雄が福岡にオープンしていたのです。

福岡市の西新エリアに2020年4月「こってりらーめん なりたけ」はオープン。
現在国内6店舗で営業中、さらにパリにも出店されていますが、九州では初出店。
場所はプラリバ裏、城南線からだと城西1丁目の交差点を北に入ったところ。
ここは特に福岡市内屈指のラーメン激戦区で、「しばらく」「味一」「はじめ」などが50m圏内にある中、ハイオレンジな看板に「濃厚背脂らーめん」の文字が浮かびます。

「濃厚背脂らーめん」
これは隠語よろしく、いわゆる背脂チャッチャ系ってやつ。
背脂チャッチャ系ラーメンは背脂を丼にふりかける網の“チャッチャ”という音がその所以。「燕三条系ラーメン」が元祖とも言われるが、ぼくの場合は関東の味。
国立競技場横の「ホープ軒」、浅草の名店「弁慶」、大崎の「平太周」、秋葉原の新星「ごっつ」など、はじめこそその背脂の量に戸惑った記憶があるが、それ以降は背脂に寄り添い、背脂と共に歩んできた自負はある。
「なりたけ」は「弁慶」出身オーナーのお店。
ぼくにとっての本場の味が福岡で味わえるという期待で、「チャッチャ」音が脳内で無限ループ再生されたところで入店です。
背脂ファーストな店内に響くチャッチャ音。

ビルエントランスにて「なりたけ」をパースペクティブで認識。
チャッチャ音はまだ聞こえない。
あのガラス戸の向こう側まで。チャッチャ音はまだ聞こえない。
よし。心のジョイスティックを奥に傾け前進。

2020年オープン。とても綺麗で清潔感溢れる店内。
背脂ということで多少覚悟はしていた床やテーブルのヌルヌルは皆無の背脂ノンノン系の店内です。
さてここで今度はジョイスティックを左に入力。

あるのは券売機。
ここでぼくに試されるのは「注文チャッチャ系」か否か。
後続が来たら自由演技な注文はできなくなるので、あらかじめオーダーを想定しておくのが吉。
今回は「しょうゆもやしらーめん(850円)」に「味玉子(100円)」をトッピングでチョイス。
もやしらーめんにしたのは、背脂系が故の背徳感から。
味玉をつけたのは「もやしらーめんにしたからいいよね」みたいな。
プラマイゼロのつもりだったが、冷静に考えるとただのプラプラだな。
「まいっか」と自己肯定しながら席へ着き、プラプラの食券を渡すと背脂の量を尋ねられます。

選ぶは「サッパリ」「普通」「ギタギタ」の3種類から。
瞬間的にギタギタの想像をしてみたが、そのプレビューが網膜に投影される前に「普通」と発声してました。

卓上には餃子用セット(しょうゆ、ラー油、お酢)のほか、にんにくと豆板醤。味の濃さを調整できるというお知らせポップも。
これはきっと福岡だからこそのお気遣いなのでしょう。
醤油の違いから九州の人は関東の味を「濃い」と思う人が多いようで、ぼくも実際「関東の醤油は辛い」と聞いて育ちましたが、実際思うのは「九州の醤油は甘い」です(笑)
なので自分が美味しいと思うかどうかで判断してます。

こちらは券売機泣かせの卓上メニュー。
西新店ではみそらーめんが人気だそう。
福岡はみそらーめんのお店のイメージがあまりないのでこれは納得。
次は寒い日にみそらーめんだななんて思っていると厨房から聞こえるチャッチャ音。
休日に鳴り響く運動会の昼花火で、ああそんな季節かと思うあの感じ。
そうだった。今日は久しぶりに背脂チャッチャ系ラーメンを食べるんだった。
それもここ福岡で。
「なりたけ」圧巻のしょうゆもやしらーめんに大技炸裂!

きた。
こいつが「なりたけ」の「しょうゆもやしらーめん+味玉子(950円)」

全体像はこちら。
とんこつらーめんにはない高さを是非。

見事に重なるネギともやし。
気づいて頂きたいのが、丼のフチに背脂がついてないということ。
背脂チャッチャ系のお店では、丼がソルティードッグのグラスの塩のように背脂まみれになっているお店も多い中、この「なりたけ」は“じゃない”仕様のよう。安堵。
丼の倍近くある量にゴクリを唾を飲み、まずはお冷で口を湿らせる。
実際このもやしの量は想像してなかった。
やるしかないか…
帰福して2年、とんこつ細麺でなまった腕だがまだやれるはず!あの技を決める!

「天地返し」
麺と野菜をひっくり返し、麺が伸びるのを防ぎつつ野菜にスープを染み込ませるという、いわゆる二郎系ラーメンに使用する技をここに転用!
麺を手前から引き上げつつレンゲで野菜を奥から潜り込ませる大坪流の「天地返し」が見事に決まったところでいただきます。
「こってりらーめん なりたけ」のしょうゆらーめんカルテットを堪能。

まずはスープから。
チャッチャ系ラーメンならではの背脂を確認。
博多うどんの天かすが、お店によって大きめの丸い天かすか粒が細かいサラサラの天かすかがあるのと同じで、背脂も店によって違いますね。
「なりたけ」の背脂は小さめで、固体というより粒なやつ。
口にするとサラサラと小気味よく舌を通過し喉を流れ、脂のまったりした甘みを感じながら醤油のキレで味が仕上がる。
思わず3口飲んでいた。

「天地返し」のあとの絡まりをほぐしながら注意して麺リフト。
角が強めな中太ちぢれの自家製麺は、ほどよいモチっとゴリっと食感が堪らない。
食欲が食欲を呼び、食べながらワシワシ口に詰め込みたくなるこの麺は“すする”ではなく“押し込む”。
うまいものを口いっぱいに頬張ると、自然と無心になれるのはぼくだけだろうか。

背脂をくぐり抜けやってきたこのチャーシューこそが正義の脂。
1.5ミリ程の厚さだからこそのプルプル感、テロテロ感。この柔らかさは噛み切る必要はないのだが、チャーシューを楽しむために噛む。
麺のワシワシ、もやしのシャキシャキ、チャーシューのプルプル。ほのかに感じる背脂のポロポロ。
食感のカルテットに思わず脳内スタンディングオベーション。これが“絶対のグルメ”。
ご馳走様でした。
「こってりらーめん なりたけ 福岡西新店」店主の溢れる想い。

お手すきに店主の首藤さんにお話を伺いました。
なんでも、「自分が大好きなラーメンを少しでも多くの人に届けたい」という想いで関東から単身九州へやって来たのだとか。
オープン直後に外出自粛となりながらも営業を続け、現在では年齢性別関わらず、多くのお客様で賑わう繁盛店に。日々背脂の網をチャッチャと振り続けている。

ちなみにこのキノコのキャラクターについても伺ったところ、
「なり“たけ”だからキノコ…?詳細はまた!」
ということです(笑)
気になったら聞いてみてください。
福岡ラーメンの未来は明るい
今福岡では、つけ麺や横浜家系ラーメン、二郎系ラーメンも続々オープン。行列をなしている店も多い。
この「なりたけ」の背脂チャッチャ系ラーメンが激戦区西新にお店を構えたことで、このエリアのラーメン選択肢が増えたことは間違いない。
個人的には外ごはんのレパートリーがひとつ増えただけだが、きっとこの「こってりらーめん なりたけ」の福岡進出により、福岡のラーメン界隈がアツい賑わいを見せてくれるだろう。
まあとりあえず次に食べるのは「なりたけ」のみそらーめんだけどね。