福岡から日帰りで行ける絶景登山 in 扇ヶ鼻(おうぎがはな)

この記事を書いたサラダボウラー

〈目次〉
九州屈指の九重連山
福岡市内から登山口までは車で片道約2時間ちょっと(高速道路利用)。
久住連山といえば本峰の久住山を筆頭に、九州本土で最高峰の中岳(1,791m)や三俣山、星生山などの山々が連なっており、九州内外から登山者が集まる場所です。
九重連山には東西13km、南北10kmの範囲に10数個の火山体が集まっており、標高は1,700m前後のものが多く、1,700m級の山が11峰、1,000m以上は35峰を数えます。
西部には久住山をはじめとする久住山系の山々が連なり、広い坊ガツルの草原をはさんだ東側の対面に大船山を中心とする大船山系の山々が並んでいます。
▼久住山系(西側)
久住山(1,787m)-主峰
中岳(1,791m) - 九州本土最高峰
稲星山 (1,774m)
星生山 (1,762m)
三俣山 (1,745m)
▼大船山系(東側)
大船山 (1,786m)
平治岳(1,643m)
九重と久住、その違いとは
九重と久住。同じ「くじゅう」といえども2種類の漢字があり、どういう違いがあるの?と一度は思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
九重は「ここのえ」と読んだりもしますよね。
どうしてこのように分かりづらい地名になったのか、それにはこんな経緯があるそうです。
その昔800年頃に九重山白水寺と久住山猪鹿寺の2つの寺院が開かれたことが起源となり、
▼町名としての九重は玖珠(くす)郡九重(ここのえ)町
▼久住町は以前は、直入(なおいり)郡久住(くじゅう)町
の地名が付けられたそうです。
直入郡久住町は2005年の合併により町名としては無くなり竹田市の行政区としての久住(くじゅう)町となりました。
その後、火山群や周辺地域全体を指す場合に「九重山」や「九重連山」を用い、その主峰である単独の山を指す場合に「久住山」を用いるのが一般的となりました。
近年では、混乱を避けるためにひらがなの「くじゅう」を用いることも多いそうです。
ここまで説明を聞いても理解するのが難しいですよね。
4連休の登山客渋滞を避け、扇ヶ鼻に”夕駆け登山”に出発!
9月のシルバーウィーク、絶好の登山シーズンということもあり山は登山客で溢れます。
日帰り登山をする時は一般的には朝から登り始め、山頂で昼食を食べて夕方に下山というパターンが多いですよね。
今回は登山客渋滞を避けるために、時間をズラして夕日を目的に登山をすることにしました。
九重連山はたくさんの山がありますが、山頂からは阿蘇山や祖母山などの山々を一望することができ、夕日も綺麗に見えるということで扇ヶ鼻(おうぎがはな)を選びました。
難易度的には初心者でも登りやすい山で、今回の登山の行程は往復約6km、往路1時間半、復路1時間でサクッと登れるので、この日はお昼の12時半に福岡を出発し、高速で大分方面へ向かいました。
コロナの影響も残っているのか、例年のシルバーウィークよりは車も少なく九重ICまでスムーズに渋滞に巻き込まれることなく走ることができました。
高速を降りた後はひたすら下道を45分程。
今回の出発点である牧ノ戸登山口には15:00前には到着しました。
九重連山に登るにはいくつもの登山口があり、その中でも特に大きい登山口は「長者原」と「牧ノ戸」登山口です。
長者原ビジターセンターは375台、牧ノ戸峠は200台の駐車場があります。
実はシルバーウィークの前の週にも長者原~星生山~牧ノ戸ルートで登山をしており、その時は長者原も牧ノ戸も駐車場にはかなり余裕があったのですが、シルバーウィーク中日のこの日は駐車場が車で溢れており、駐車場に停めれなかった車が路肩に連なって路上駐車されていました。
しかし、私が到着した15:00頃はというと、朝から登山をしていた登山者が下山する時間だったので駐車場にも空きが出ており余裕で停めることができました。
シルバーウィークや連休は朝から登る時は、スタート時間が遅れると駐車場に停められない心配があるので、夕駆けの場合はその心配をしなくていいので良いなと思いました。
いざ出陣!初っ端から地獄の登り坂。。。
駐車場に着いたら、トイレに行ったり、準備をして15:30にいざ登山開始!
牧ノ戸登山口は何といってもスタートした瞬間からコンクリートで舗装された登り坂が続き、この日の行程の中でも一番キツイゾーンなんです。
登り始めはまだ身体が追い付いていないので息が上がりやすいこともあり、最初のこの登り坂と階段は何回登っても地獄と思ってしまいます。
登山は好きだけど、登り坂はやはりキツイ。。。
それにプラスして、シルバーウィークでいつもより多い登山者のみなさんが下山してくる時間と被り、すれ違う度に「こんにちは~☺」と元気に挨拶しながら登るのでキツさ倍増!!!
そんな登り坂も最初の30分程と分かっているので、自分を鼓舞して歩を進めます。
息が上がりながら最初の坂を登り切った沓掛山(くつかけやま)の展望台があり、綺麗な景色を眺めながらそこで少し休憩。

そこで一緒になったおじ様と山ならではの会話を楽しみお別れをして登山を再開します。
往路はたくさんの登山者とすれ違い挨拶や軽い会話をしながら楽しく登りました♪
久住山はお子さんでも登りやすいこともあり、家族連れの登山者とも多くすれ違います。
いつもだったら、同じ方向に向かっている登山者を追い抜いたり追い抜かれたりしながら歩くのですが、今回は同じ方向に向かう登山者とは1人もすれ違いませんでした。
それくらい夕駆け人口は少ないんですね。

この日の日の入りは18:13予定だったのですが、17時頃になると周辺には人はほとんどいなくなりました。
今まで日帰り登山や朝駆け(日の出を見に深夜から登る)は何度も登ったことのある久住ですが、こんなにも人の少ない久住は初めてでした。
山頂に到着!まさかの山頂を貸切状態!!!

日の入りの1時間前に扇ヶ鼻に到着!
今まで山頂に登山客がいないという登山を経験したことがなかったので、この日も当然ながら他の登山者がいるだろうと思っていたのですが、まさかまさかの他の登山者は0で山頂を自分たちだけで貸切状態!ヤッター!!!
人のいない久住はとても貴重で、なんだか不思議な感覚に。
壮大な景色に感動しながら写真を撮りまくりました。
(人がいないからどんなポーズでもできちゃうよ。何度も撮りなおしできちゃうよ。)



しかし、山頂は標高が高く風が強いので体感は10度以下。
汗も一瞬で引いていき、指はかじかんで手袋をしていないと感覚がなくなっていきます。
はい、それも想定内。
上着をやダウンなどを着込みまくり防寒対策を万全に。
これが私の一番の目的と言っても過言ではない「山ごはん」

今回の「山ごはん」は夕飯の時間には早かったので、下山して夕食を食べることを想定しみんな大好き「うまかっちゃん」にしました!
時間がある登山の時は山頂で簡単に調理をするのが好きで、うまかっちゃんにサニーで買った野菜炒めの野菜セットと豚肉をプラス!
立派なラーメンが出来上がりました!
山頂で食べるとカップラーメンがいつもの10倍くらいの美味しさになるのですが、今日も最ッ高に美味しい~!!!
冷えた身体に温かいラーメンが染み渡ります。
「美味しい!」をしつこいくらいに連発です。
もはやこの為に山を登り続けているのではないかという錯覚になるくらい私の登山をする上での楽しみの一つです。
扇ヶ鼻から眺める夕日

ラーメンを食べ終わるとちょうど太陽が赤く染まってきました。
夕日を見るとやりたくなる定番のこれを・・・

耳が寒くてフード被ってるし、着膨れしまくっていますがそこはお気になさらず。
雲が少しあったものの、周りを赤く染めながら徐々に沈んでいく太陽はとても綺麗で心が洗われます。
写真を撮った後は夕陽が沈むまで、コーヒーを淹れて飲みながらゆったりした時間を過ごしました。
その後は荷物を撤収して、いざ下山!
満点の星空を見ながら下山

太陽が沈むと、そこは暗闇の世界。
ヘッドライトの灯りを頼りに足下に気を付けながら下山します。
真夏の朝駆けではヘッドライトに無数の羽虫たちが集まってくるのですが、この時期は秋ということもありヘッドライトに羽虫が寄ってくることはなかったので、虫が苦手な方でも安心して歩くことができます。
久住山や星生山からも下山してくる人がいるかなと目を凝らしてみましたが、ヘッドライトの灯りは私たち以外に1つのみしか見えませんでした。
標高が高く、空気が澄んでいるので下山中は満点の星空を拝めました。
福岡市内に住んでいると、夜でも明るいので日頃星をみたり月を見上げたりするのを忘れていることに気付かされます。
スマホしか持って行っていなかったので、満点の星空の画像をお見せできないのが残念です。
広大な自然の中で、車の音や人の声ひとつしない、聞こえるのは自然の音のみの空間にまるで自分たちしかいないような感覚になりました。
最後に待ち受けるのは膝殺しの下り坂
登りでお伝えしましたが、牧ノ戸登山口は最初の坂が一番キツイゾーンです。
ということは、帰り道は約0.7km続くその坂を下らなくてはなりません。
下りというのは膝に負担がかかりやすいのですが、最後のこの坂で膝が笑いだす人は少なくありません。
登りより下りの方が体力的にはもちろん楽ですが、膝が思うように動かず苦戦する人も多いのがこの最後の下り坂。
そんな膝の負担を和らげたい場合はトレッキングポールを使用することをお勧めします。
ゴール!!!そして温泉へ直行!
下りは暗いので足下に気を付けながらゆっくりペースで約1時間で下山しました。
今回の登山はコースが短かったこともあり疲労感は少なめでただただ楽しい登山でした。
そして、登山後はお決まりの温泉へ。
さすが温泉県大分。車を少し走らせるとたくさんの温泉があります。
※夜立ち寄りできる温泉は少ないので、事前に調べておくことをオススメします。
秋の九重は夜は非常に冷えるので、温泉で身体をほぐしながら温まり汗を流してサッパリと!
温泉後は福岡まではまた2時間半かけて帰ります。
12時前には帰宅できるので、洗濯ものや洗い物を翌日に回せば温泉にも入っているのですぐに休むことができます。
初の夕駆けをした感想
朝駆けは何度かしたことがありましたが、今回は初の夕駆けに挑戦しました。
朝駆けは睡眠の調整が難しかったり終わった後の疲労感と眠気がすごいですが、夕駆けは睡眠の調整も必要なく、何と言っても登山者が少ないので山を独占している感覚を味わうことができます。
私は夕駆けにハマりそうです。
福岡から日帰りで楽しめる登山をまたご紹介できればと思います。